税理士試験は、5科目に合格する必要があります。1年に5科目受験する方もまれにいらっしゃるようですが、5科目一度に合格する方は、残念ながら、ここ10年ほど出ていないそうです。
では、1年に受験する科目数はいくつにすればいいでしょうか?
受験専念組は2科目か3科目、会社員など「働きながら組」は1科目というのが相場となっているようです。しかし私は、世間相場に惑わされることなく、「働きながら組」でも、なるべく複数科目を受験することをお勧めします。
私か複数科目の受験をお勧めする理由は、次のとおりです。
ひとつひとつ見ていきましょう。
まず、①「2科目受験により、学習の相乗効果が発揮される場合がある」については、特に会計科目である簿記論と財務諸表論の同時受験で相乗効果が最大となります。習得すべき知識には共通するものが非常に多いため、この2科目は同時に受験することをお勧めします。
私は受験1年目に、無謀にもこの2科目を同時受験しましたが、なんとかなりました。
また、平成15年度から、この2科目の合格率が上昇傾向にあります(20%前後。ただし、簿記論の合格率は平成16年度に再び下がりましたが)。そのため、同時合格の確率も上昇しました。
次に、②「1科目失敗しても、1科目受かっていれば救われる」については、1科目受験はリスクが高いので、「合格科目なし」というリスクを分散するためにも有効な手段だと言えます。1科目も合格しないと、結構ショックは大きいものです。
続いて、③「早期合格の可能性が高まる」ですが、単純に受験する科目が増えるので早期合格の可能性が上がる、というだけでなく、「受験レベルまで到達した科目は、翌年の受験につながる」という意味もあります。
実は、これはとても重要なことです。
税法科目の受験1年目は、やはり合格が難しいのが普通です。そのため、2年目の税法をメイン科目(必ず合格する気構えで勉強する科目)に据え、1年目の税法科目をサブ科目(合格を目指してしっかりと勉強はするが、受かればラッキーくらいの感覚で勉強する科目)とするのです。
もちろん、両方合格するのが最高ですが、サブ科目を「少しでも受かる可能性がある」状態まで持っていけば、翌年、その科目については勉強が非常に楽になります。
④「勉強のメリハリをつけることができる」については、同じ科目をずっと勉強して飽きるくらいなら、複数科目を勉強したほうが、気分転換になるだろう、という意味です。
たしかに、1科目を集中して勉強すれば、合格する確率が高くなるという考え方もあります。しかし、私の経験では、だらだらと1科目をやるよりも、複数科目の勉強をするほうが時間に切迫感があり、集中して勉強することができました。
例えば、今日は法人税法4時間、消費税法2時間などと決めておくと、時間がかぎられているため、集中力が高まります。1科目に6時間かけるよりも、勉強の効果は上がると思います。
⑤の「単純に計算上の合格率が上がる」は、確率のお話です。
例えば、合格率が20%だったとします。1科目受験ならば、単純に言うと合格率は20%です。ところが、2科目受験すると、1科目でも受かる確率は、1から80%×80%(どっちも受からない確率)を引いたものとなり、36%となります。
36%つて、結構いけそうな感じがしませんか?
最後に⑥ですが、私には、1科目受験でも2科目受験でも、結局、1科目の勉強にかけるエネルギーは同じくらいになるような気がします。
2科目受験をすると、「しっかりと密度濃くやらなければだめだ」というプレッシャーにいつも追い込まれますので、効率よく勉強をすることになります。
1科目だと、時間はあるという安心感からか、結局、2科目受験をするときのひとつの科目と同じくらいの勉強密度になってしまうのではないかと思います。
たしかに、学習量のボリュームからすると、1科目受験がちょうどいいのかもしれません。2科目受験は、(特に社会人には)非常に大変です。
しかし、ここに紹介したような理由により、私はあえて2科目受験をお勧めします。はっきり言って、2科目受験はしんどいですが、できるだけ短期間で合格するためには、複数科目を受験することが近道なのです。
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