税理士試験は、会計科目(簿記論と財務諸表論)と税法科目(税金に関する法律)に分かれています。
税法科目では、法人税法か所得税法のどちらかは、必ず合格しなければなりません。その他の税法(相続税法、消費税法、洒税法、固定資産税、住民税、事業税、国税徴収法)については、どれを選んでもいいことになっています(ただし、消費税法と洒税法および、住民税と事業税は、両方を選択することができません)。
ここで、税法の科目選択が重要になってきます。
税法の科目選択については、2つの考え方があります。
ひとつは、【実務に必要な科目を選択する方法】です。もうひとつは、「合格しやすい、もしくは(学習量の)ボリュームの少ない科目(例えば授業が週1回の科目)を選択する方法」です。
ここで考えていただきたいのですが、「合格しやすい」科目と「ボリュームの少ない」科目は、一致するのでしょうか?
私は一致しないと考えています。
税理士試験は、各科目、受験者数の10~20%が合格する競争試験です。科目によってばらつきはありますが、同じ科目では、だいたい毎年同じくらいの合格率になっています。
例えば、受験者数のいちばん多い消費税法といちばん少ない住民税で比べてみましょう。
消費税法は、受験者数1万957人、合格者数1131人です。これに対して住民税は、受験者数413人、合格者数40人となっています。
さて、あなたは、どちらが合格しやすいと考えますか?
私は、1万人の中の1000人に入るほうが、400人の中の40人に入るよりも楽な気がしますが、皆さんは、どう思われますか?
また、学習量のボリュームが少ないということは、それだけしっかりと勉強してきている人が多いと考えたほうがいいでしょう。そして、「受験ベテラン」も多いと見受けられます。
一方、消費税法の受験者1万人強の中には、本番の試験で戦えるレベルに到達していない人がたくさんいると考えられます。というのも、消費税法の選択は、受験初期でする人が多く、まだ税理士試験の経験のない人などもたくさん受けているはずです。
さらに、会計科目と消費税法の試験が同日に行なわれるということもあり、会計科目と、適度なボリュームの消費税法を一緒に受験している人も多いはずです。
それと比べ、住民税の受験者413人の中の「レベルに達してない人」の割合は、消費税法のそれよりも非常に少ないと考えられます(絶対数ではなく、割合です)。その理由は、住民税や事業税などは、3科目や4科目保持者が、受験の以後のほうで受験する可能性が高いと思われるからです。つまり、高レペルでの争いになるわけです。
とにかく、「ボリュームの少ない科目」が「合格しやすい科目」ではないということは、確実に言えると思います。
また、受験者数が多くてボリュームも大きい科目は、そのまま(独立後の)実務に役立つと考えることができます。
それを考えると、結論としては、法人税法・所得税法・相続税法・消費税法の中から3つを選ぶのが一般的でしょう。
たしかに「ボリュームの少ない科目で試験を受けて、実務に必要な科目はあとで勉強する」という考え方もあります。しかし、あとで勉強するのは、結構大変なのではないでしょうか? 「合恪」という目標がありませんので、どうしても通り一遍の勉強になり、なかなか身につきません。
もちろん、実務にまったく使えない科目などはないので、必要に応じて選択してください。とにかく私か言いたいのは、「ボリュームで選ぶのではなく、将来の実務に役立つ科目を選んでください」ということです。
それが、結果的に「合格しやすい」科目なのだと思っています。
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